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アンティーク・ジュエリーを探している人たちへの購入ガイド的な本ではないが、時代背景や当時のファッションなどをからめながら、各時代に特徴的なジュエリーが、多数の図版で紹介されている。ちょっとしたエピソードなど知らないこともたくさんあって、けっこう楽しめる。
近代以降のジュエリーの本は他にもあるが、それより古い時代のジュエリーを美術史に沿って語ったものの邦訳は、今まであまりなかったと思う。
宝石をちりばめた中世の宗教的ジュエリーや王冠、ルネッサンス時代の凝ったジュエリーの美しさは、なかなかの迫力。
「ジュエリー=女性のためのもの」という発想は、ルネサンスも後半になってからのことで、それ以前のジュエリーは、権力の象徴・信仰の対象であるとともに、男性が神秘的な護符として身につけ、また換金できる下賜品でもあったという。
中世の祭壇画、ヘンリー8世やエリザベス1世、ナポレオン妃ジョセフィーヌをはじめ、歴代の王や貴族の肖像画、ルネサンスの名画など、ジュエリーが細かく描き込まれた絵もたくさん掲載されている。ジュエリーだけでなく、美術・工芸史に興味のある人にもおすすめ。用語の説明や注が、本文と同じページに載っているのも便利。
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