本書は共同通信の編集主幹を務める著者が、新聞およびテレビなどの、
ジャーナリズムにはびこる問題点と今後の可能性についてまとめた現場からの報告である。
私は、本書の中で著者が紹介しているアメリカのジャーナリズムの鉄則を全面的に支持する。
それは次のようなものだ。
「(ジャーナリズムは)権力監視のウォッチドッグ(watch dog番犬)である」
ジャーナリストは第4の権力を持っていると言われるが、
それは選挙によって与えられたものでも、厳しい背罰テストを経て与えられたものでもない。
国民から付託された権利ではないのである。
だからこそ自らを律し、権力の監視と言う職務を誰からのの影響も受けずに行わなければならない。
著者は「報道人は常に記録者であり、歴史のステージに上がる人間ではない」と言う。
よって私は、ジャーナリストが政府系の審議会などのメンバーになることも避けねばならぬと思うし、
テレビ局や新聞社が記者クラブの場所を省庁から無償で提供されたりしてはならぬと思うのだが、
どうも著者はそれはかまわないと思っているらしいのである。