スマナサーラ師の著作で引用があったので手に取って見た。
ジャータカは本生経といって、阿含経(=紀元前4世紀から1世紀頃成立した仏教のもっとも古い経典)に含まれるお釈迦様の前世の物語である。南伝大蔵経には547話あり、本書はその抜粋で上巻には28の物語を収録している。
物語自体は、欲深さや猜疑心、身勝手などを戒めた個人の徳目に関する話や、幼長の序や理想の国王像など社会秩序に関する話、因果応報、輪廻など仏教の教義に関する話など、一定の思想が語られているが、原始仏教の思想を知る、という点ではやはり、この分量では物足りない。かといって、子供向けの童話にしては、字が小さいし、挿絵も少ない。読みやすいのは読みやすいが、位置づけがいまひとつ中途半端、であった。