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これまで何度かアニメ化されてきた手塚治虫の大河コミック『ジャングル大帝』。最初のTVシリーズから約30年後に制作された本作は、技術的進歩と丁寧な作り込みによって、舞台となるジャングルがより美しく壮大に描き出され、当初より音楽を担当している冨田勲の雄大な楽曲がそれを見事に彩っている。重奏感を増したテーマソングに、飛び立つフラミンゴの群など、TV版をアレンジする形で展開されるオープニングは、ひとつの作品がもつ長い歴史を物語っているようでもある。
ジャングルを統治する白いライオンの親子三代にわたる物語のうち、本作は原作の第3部にあたる「月光石」の物語を描いている。かつて人間の手によって父を殺されながらも、人間であるヒゲオヤジの命を守るために自らの命を犠牲にするレオの物語には、人間中心主義を越えた手塚作品のテーマ性が見事に織り込まれており、この部分が初めて映像化された本作はその意味で必見のタイトルといえる。(井上新八)
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
65年にTV放映された、手塚治虫初期の大河コミックの劇場版アニメ。莫大なエネルギーを秘めた月光石を求めてジャングルを強引に切り開く人間たちと、それを阻止しようとするレオが対立する。音楽はTVシリーズ第1作から担当している冨田勲。