ナディアとジャンがただ純粋に幸せになりたいと願う事すら、良く思わない人達がいる。そんなショッキングな設定から始まる物語でした。
ナディアとジャンの想いの深さはもちろんの事、グランディス達3人組の「いい奴ら」っぷりが溢れ出ていて、グッときます。
とある種族に生まれたというだけで色眼鏡で見られ、危険視されるという理不尽。愚かと言う他無いでしょう。
ナディアとジャンの間にある愛こそが「平和」そのものの象徴だと、何故気付かないのか?
もどかしさを抱えて読むだけに、ラストには晴れやかな気持ちになりました。
残念だったのは、一か所話の流れに破綻があった事です。一人、明らかに不自然な形で登場するキャラクターがいます。
わたしが手に取ったのが初版本だったせいでしょうか?
ちゃんと流れに乗せて膨らませれば敵キャラの悲劇性が際立ったでしょうに……。
それと、ゲストキャラの数が多く、それぞれのエピソードがややとっ散らかった様な印象が否めません。
例えば「父っつぁん」がもっと自分の過去を絡めつつナディアに接しても良かったし、「リッキー親子」は最後の場面に呼ばれるべきだったと思います。
そう言えばプロローグでのマリーの登場も、少々アプローチが強引だった様な……。
と、色々気になる点はありましたが、もちろん物語全体は素晴らしかったです。
アニメで描かれていたテーマがしっかり受け継がれていて、読んで損は無かったです。