長いこと予備校で国語の講師をしていました。
とくに年を経るごとにすごい勢いで正解率が下がってきたのが
「書き手が何を言いたいのか答える」といういわゆる「読解」の問題でした。
娘の小学校の算数プリントなどを見ると、全然複雑でも何でもないような
文章題の読み取りがクラスで数人しかできなかったりします。
(100マス計算などはみんなはやくできるのですが)
この話は1,2校に限られたことではなく、
教育の現場で広く同じようにいわれていることだと思います。
この本のタイトルを見たとき、中身を見ないでも、一瞬で
オチは「宝物はお兄ちゃん」だろうな、と思いました。
読んでまったくどんぴしゃりだったので苦笑しました。
絵も可愛いお話ですし、子ども向けの話でいわゆる「ベタ」な内容で何が悪い、という
意見もあると思います。が、内容が問題なのではなく、書き方です。
私にとっては、これは、小学校の道徳の授業で
あからさまにどう答えるべきかはっきりしているような
お話、を読まされたような感がありました。
私ならこのような結論は子どもに読み取ってほしいです。
あからさまにもっともな解答をそのまま地の文で読みたくありません。
この本に限らず、わかりやすくそのまんま書いてあるような
絵本や子どもの本が今は人気で、一体どういう意味なのか考えさせられる、、ような本はなかなか手にも取られなかったりします。
そういう積み重ねが冒頭に書いたようなことになるのだろうな、と思いました。
別に学習への影響にかぎったことではなく、考え過ぎかもしれませんが、
相手の内面を推し量る、というかそういう能力の欠如につながっていくのではないか、
と思えてなりません。