とにかく、まず写真が素晴らしい。きれいでカッコイイという意味ではなく、全く逆。痛んでいて汚れているし、写っているミュージシャン達は不意に撮られたものが多く、自然体で生々しい。だからこそ当時の現場に居合わせたかのような感覚を覚える。
現在はバリー・ハリスが住んでいることでも知られるキャットハウスでの写真が豊富。ある意味ジャズの聖地と言えるのではないか。
3つの答えからは、バラバラというくらい個性がにじみ出ている。奇行癖で知られる人が意外と人格者であったり、インテリであったり、ユーモアにあふれていたり、単なるやんちゃ小僧だったり、ジャズミュージシャンとひとくくりでは語れないほどのバリエイション。神格化されたJazz Giantsたちも、当時は自己の音楽確立、世の中から認められるため、そして収入を得るために、様々な葛藤を抱きながら切りつめた生活を送っていたことが伺われる。それにしても何人かの発言には心底ドキッとさせられた。ロックやファンクが台頭してきた(それまでのジャズの活動の場が脅かされる)60年代だからこその発言もあろう。
それにしても半分以上のジャズミュージシャンの名前を聞いたことがなかった。我々には名が伝わらない素晴らしいジャズメンがたくさんいたということだ。
そして何より、パノニカ男爵夫人の、ジャズミュージシャンに対する深い愛情をひしひしと感じる。
スペースに余裕があるので、ミュージシャン自身の原語(英語)と日本語両方載せてもよかったのではないか。
というわけで、原語でも読みたかったので、英語版「Three Wishes」も購入した。