『日本が助けを必要としている今、心からの思いを込めてジャズを演奏
することで、私たちの日本の皆さんへの想いを伝えることができればと
願っています。』 (プロデューサーのラリー・ロビンソン談/ライナーより)
いち早く発売され世界中でトップ・セールとなった『SONG FOR JAPAN』
が既存のヒット曲の集合だったのに対し、この作品は全曲が新たに収録
されたものとなる。今回、自分のヒット曲を惜しげもなく提供してくれた
『SONG・・・』の参加ミュージシャンに感謝しているのは言うまでもない。
しかし、こちらの方は震災発生後すぐに話が持ち上がり、ハリウッドの
キャピトル・スタジオにロサンゼルス在住のジャズ・ミュージシャンが
集結しチャリティ・アルバムのレコーディングを行ったのは、なんと3月の
23日と24日だったそうで、企画の素早さと実行力には呆れるばかりだ。
当然ながら作品の中には、其々のミュージシャンの被災地への想いや
日本に対する愛情が、溢れんばかりに詰まっていることになる。流石に
大物ミュージシャンばかりであり、プロデューサーが用意したリストの中
から曲を選び10〜15分程度の打ち合わせと簡単なリハーサルを終えて
1発録音し、殆どが1テイクで終了したそうなので凄いと言うほかない。
有名なスタンダードばかりで堅苦しい作品は無く、普段JAZZに馴染み
のないお方にも、問題なく楽しめるアルバムに仕上がっている。冒頭の
「処女航海」の原曲に忠実なオープニングを聴くと、期待は膨らむばかり
で、「ソフィスティケイテッド・レディ」のチャイルズ(p)とマクブライド(b)
のデュオには痺れるし、「身も心も」のバス・クラ(奏者はなんとマーカス
・ミラー)も素敵だ。全体的にフュージョン系の名人が多く集まっており、
「フットプリンツ」はフル・メンバーでの演奏で、実にクールな仕上がり。
また「ウォーターメロン・マン」には、懐かしいリー・リトナーとケニー・G
が参加している。
被災者を心から気遣い震災からの早期の復興を願い立ち上がった彼ら
の力強い演奏を聴いていると、日本にいる我々こそが、何ができるか
を見極め行動しなければ、と勇気付けられてしまう。このアルバムに
携わったミュージシャンやプロデューサーの皆さん、本当にありがとう!