ジャガイモの歴史、というか、ジャガイモと人類がどんなふうに関わってきたかの歴史を、原産地の古代アンデスからヨーロッパ、そして現代日本にかけてまで追っていく、という趣旨の本。
ジャーナリスト出身の著者らしく、多くの現場に足を運び、話を聞いている。
だが、そのために本書は、
「ジャガイモに直接関係ない記述が多すぎる」
という一冊になってしまっている。
特に後半、例えば北海道開拓、東北の飢饉、ソ連での抑留生活などとジャガイモとの関わりについての項。
当時の体験談を丹念に拾っていくのだが、そこに注力するあまり、本来のテーマに関しては最後にやっと「そういえばジャガイモが」くらいの扱いでしかない。
一つひとつの話は面白くても、読んでいるうちに、「これって何の本だっけ?」と思わざるを得ないのだ。
ジャガイモをテーマにした散文集、といったところで、もう少し濃い内容を期待していた向きには少々期待はずれだった。