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ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書)
 
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ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書) [新書]

山本 紀夫
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

栽培面積では全作物中、第四位のジャガイモ。南米で栽培種として誕生した後、どのようにして世界中に広がり、人々の暮らしにどんな影響を与えてきたのか。アンデスの農耕文化を中心に、四〇年にわたってヒマラヤ、アフリカ、ヨーロッパ、日本で調査を続けてきた著者が、ジャガイモと人間の関わりに秘められた歴史ドラマをつづる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

山本 紀夫
1943年大阪市生まれ。国立民俗学博物館名誉教授。京都大学卒業。同大学院博士課程修了。農学博士。民俗学、民族植物学、山岳人類学を専攻。1976年より国立民族学博物館に勤務。1968年よりアンデス、アマゾン、ヒマラヤ、チベット、アフリカ高地などで主として先住民による環境利用の調査に従事。1984~87年には国際ポテトセンター客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 209ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/5/20)
  • ISBN-10: 4004311349
  • ISBN-13: 978-4004311348
  • 発売日: 2008/5/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 ジャガイモで発展したインカの山岳文明, 2008/6/18
By 
革命人士 - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書) (新書)
多くのインカ遺跡が2000〜4000mの標高から出土している。穀物も育たない、輸送手段も限られた4000メートルの高地で、インカ文明の担い手は何を主食としていたのか。従来は「文明は穀物でしか築かれない」「遺跡は都市ではなく儀礼施設」「インカの主食はとうもろこし」とする見方が多かったが、著者は最新の研究でこれらの説を否定し「ジャガイモが主食であった」とする。ジャガイモはやせた土壌でも4000mの高地でも栽培できる反面、保存が利かない、重くて運ぶに適さない、とされてきた。しかし、ジャガイモの発祥地であるインカは、野外にさらした後、足で踏みつけて汁抜き・毒抜きをする独自の保存法をおそらく数千年をかけ、編み出した。また、さまざまな標高に異種のジャガイモを混植したり、数年間休耕することでジャガイモ全滅のリスクを分散してきた。このインカの知恵に学ばなかったのが、19世紀のアイルランドだった。全土で単一種を植え続けた結果、ジャガイモが全滅し、100万人が餓死する「ジャガイモ飢饉」になった。一見遅れているように見える文明でも、長い歴史が生んだ知恵には何らかの合理性があるものかと感じた。

「イモくさい」とか、西洋でも「悪魔の植物」などあまりいいイメージを持たれないが、世界史に登場してわずか500年ほどで、小麦、米などに続き世界で4番目に多く栽培されるようになったことからも優れた食品であることがわかる。著者は農学出身の人類学者で南米を専門としているだけあって、表面的な「ジャガイモの世界史」にとどまらない、ジャガイモの活用、栽培など、食品的、農学的アプローチからも書いていて、文理両面で知るところが多く、面白い「ジャガイモ文明論」になっている。サブタイトルは、著者と同じく文理両面で広範な文明論を展開するジャレド・ダイヤモンドの名著を意識したものかもしれないが、「戦争」というのはほとんど出てこないのでタイトルにそぐわない気がする。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 岩波新書にしては読みやすい、ジャガイモ文明論, 2008/9/6
By 
yukkiebeer - レビューをすべて見る
(殿堂入りNo1レビュアー)    (トップ50レビュアー)   
レビュー対象商品: ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書) (新書)
 新大陸原産のジャガイモがヨーロッパ人によって“発見”され、その後、ヨーロッパ大陸、ヒマラヤ、日本の食と文化をどう変えたかについて、民族植物学の研究者が著した一冊です。

 南米で長期間フィールドワーク的研究に携わってきた著者だけに、ジャガイモの植物的特徴とそれを現地の人々が生活の中でいかに昇華(消化)してきたかについて詳細な記述がされています。世界をほぼ一周したといえるこの植物が、食料としていかにすぐれていたかという歴史的検証と同時に、食料不足に悩む発展途上国の救荒作物として、ひいては食料自給率がこれだけ低下してしまった日本の打開作物として、ジャガイモの持つ可能性についても分かりやすく論じています。

 といっても研究者の硬質で衒学的な話に終始するわけではなく、ジャガイモにまつわる歴史の面白話もあちこちに顔を出します。
 フランスでこの作物を普及させるために、パルマンティエという人物はジャガイモ畑に見張りをつけたという逸話があるそうです。ジャガイモが貴重なものであるというメッセージを周囲に発して、わざとジャガイモを盗ませたというのです。
 オランダの画家ゴッホが弟テオにあてた手紙の中でジャガイモについて言及している一説を引くなど、読者をあきさせない工夫も凝らした書になっています。

 なお、ジャガイモのたどった道について中学生の読者が読むには服部幸應著「コロンブスの贈り物」(PHP研究所)が適当かもしれません。
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 ジャガイモの歴史と役割をサクッと読める一冊, 2008/6/17
By 
藤崎健一 (東京都) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書) (新書)
 カレーの具、煮物の主役、カルビーのポテトチップス、マックのフライド
ポテト・・・ジャガイモは今の日本人の食卓とは切っても切れない関係に
なっています。

 が、そんなジャガイモと日本人の関係は米に比べるとはるかに短いです。

・ジャガイモはどこからやってきたのか?
・そもそも原産地はどこなのだ?
・何で日本でこれだけ広がったのか?

 ・・・なんて話を(これだけでは無い)綴った一冊。

・イモ類では文明は起こらないという定説を覆した南米の古代文明群。
(ジャガイモを栽培するようになったのは彼の地なのだ)

・ヨーロッパへ伝播したジャガイモの行方
(何故にドイツとイギリスとアイルランドでジャガイモ料理が隆盛なのかが
 分かる)

・そしてヒマラヤへ伝播して
(外来種から主食へと)

・ジャガイモの未来
(偏見は根強いが、小麦やコメよりも栄養価は高く、収穫量も多い。最近は
 あまり縁のなかったアフリカでも栽培されるようなった。ジャガイモの特性を
 考えると飢えを防ぐ一助となり得る)

 こういったことがサクッと読める良書です。
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