”方舟”では緩やかな世界の終焉が描かれていましたが、本作は1日の出来事…そして東京の壊滅です。
2005年に出版された本の新装版ですが、カバーの違いの他に新しく新装版用の”あとがき”が書き加えられています。
朝の通勤電車での暴行事件に始まり、自由気ままな生活をしている現代人の足下から1本の木が生えてきます。
ジャカランダという木が異常に巨大化することにより東京は火の海となり壊滅する…そんなリアリティのない設定ですが、描き方がリアルなので現実感を持って読むことが出来ます。
本誌は300P近い長編ですが、読むと言うより見るパートが多いので30分もあれば読み終えてしまいます。
残酷な描写が多いのですぐには読み返す気はしません。
自然がもたらす災害は人間にとっては常に理不尽で残酷なものですが、そうした巨大な痛手を負わないと人は敬虔になれないものなのか…という問いかけを受けているようです。
ジャカランダを何の象徴とみるかは読者に委ねられていますがどうしても震災とダブります。
巨大災害は誰の元へも来る可能性はあり、そして繰り返し来ます。
本誌も自分への戒めとして、時を経て読み返していきたいと思います。
*本の写真がなかったのでスキャンしてUPしました。どうぞご参考に。