そもそもアニメを見た理由は雑誌で「アジアにも売りたい」とあって、「沈黙の艦隊」の作者によるちょっと上等な架空戦記物?程度のものを想像していた私は、そんなことして大丈夫なの?と半ば心配心からでした。
たしかにジャンルでくくれば架空戦記なんでしょうが、主人公の自衛官に「自分は後出しじゃんけんは嫌いなんだ(意)」と、歴史への都合のよい介入を否定させるところから始めるあたり、原作者とアニメスタッフの理性と正常な倫理観に安心しました。(まだ原作もアニメも道半ばですから、この先どうなるかはわかりませんが)
アニメ作品としても、海上自衛隊の協力を得てCGで描かれた最新装備の護衛艦と海のビジュアルは美しく、艦内生活の描写などはそれらしく見えますし、答え合わせのように後から読んだ原作と比較しても、考証はさらに精緻に絞り込まれ物語の盛り上げに一役買っています。
原作に敬意を払いつつ、新たに手に入った情報を盛り込んで作品を更なる高みに押し上げようとするアニメスタッフの姿勢は尊敬に値します。彼らの目論見通り、この作品が国内だけでなく海外に販売展開することが出来たとして、そこで物議をかもしたとしても(起きるでしょう、日本が作った第二次世界大戦のアニメというだけで気分を害する人はいると思いますから)その議論は健全なモノになってくれるのではないかと期待出来ます。
本作は、右にも左にも変なふうに利用されない優れたシミュレーションであり、健全なエンターティメントでもある。
今後も、その道しるべを失わずに完成することを期待して、満点を付けておきます。
よい航海を。