よく言えば丁寧な描写、つまりはテンポが悪い。
森薫が好きな人は好きなテンポかと思うが、
森薫のように空気を味わうノーカットフィルム的ではなく、
どこを切っていいかわからないから全部描きましたという感じ。センスの問題だろう。
また、主人公が世間知らずという点を差し引いてもただのわがままで共感が持てない。
具体的に年代や場所が特定されていないところからも
詳しい人に細かくつっこまれたら困るという雰囲気が漂う。
例えば「子供の前で煙草を吸うな」というお嬢様の逆ギレセリフがある。
仕事場に勝手に来て抗議をし出して、論点と違う所で逆ギレするセリフで
共感もできないのだが、このような雰囲気の時代であれば煙草は嗜みであり
子供の身体に悪いなどと判断するのは現代人の感覚である。
このような細かい違和感が1冊の間に満ちていて読んでいてガッカリした気分になった。