総括的なレビューはどなたか優秀な方に、お任せするとして、
この本の魅力について書こう。
単行本は、たしか80年代の後半、ドゥルーズ=ガタリとの出会いの中で、
読んだのだった気がする。
(或いは、デザインの戸田ツトムつながりだったかも?!)
個人的にいちばん惹かれたのが、
V章「南島論、バリ、ヌレック・アイランド」、
とくにバリ島の血塗られた歴史、文化論の衝撃は、鮮やかだった。
著者の体験的なフィールド・ワークの実感に彩られていて、説得力があり、
それからしばらく枕頭の書の一冊となった。
W・シュピースなどにも目が啓かれ、パフォーマンへの目覚めを喚起された。
自分の感性で、直截、体感したい衝動抑えがたく、
とうとう二度、バリ島に足を運んだ。
わたしの中で、本書は、アートと思想、文化人類学、
日本とバリとをつなぐ線を考える、
強力な補助線として、今なお古びることがない。