下巻では、ロチェスター氏とのある事件〜小さな村での教師としての活動・自立〜クライマックスまでが描かれています。
話としては、上巻の主人公ジェーンを取り巻く人間関係とはまったく異なる
新しい人間関係でのお話に展開していきます。
星マイナス1にしたのは、普通なら気がつきそうな事に鈍感になっていたり、鈍い物語の流れを感じたからです。
もちろん主人公の心や環境の変化はあるので、気にならない人も多いと思います。
話は全体を通し、回想している文体で書かれています。
上巻のレビューでも書きましたが、下巻でも大久保氏の訳は言葉は柔らかく、上品です。
下巻では特に、ロチェスター氏の求愛に何度も胸を打たれました。
紳士的且つ情熱的な言葉の選び方(訳し方)が素敵です。
例えば、少し立ち読みした大井氏の訳にはただ「おまえ」と訳されていたもの
が大久保氏の訳だと「かわいい人」となっていたり。そんな点も、私がこの訳
を支持する理由のひとつです。
完全に好みの問題ですが、その方がロマンチックで、素敵に感じるので。
最後に、上巻下巻を通じて聖書や神話の人物を比喩した表現や
シェイクスピアの作品を意識した台詞など出てきます。
もちろん文中に括弧書きで説明がしてあるので理解に不自由はいたしません。
でも、そういった方面に知識がある人はその点も楽しめるかも。
訳の問題で、少し遠ざけていた海外文学ですがこの作品のおかげでまた読みたいと思えました。