もともと英米文学は好きでしたが、訳がしっくりこない本を読んでからは
翻訳ものとは距離をおいていました。
しかし、久しぶりに読んだこのイギリス文学は私に英米文学が好きだった頃の気持ちを思い出させてくれました。
物語はよくある、不幸ながら聡明な少女が自立し、自らの運命を切り開いていく物語。上巻には、主人公ジェーンの幼少期〜ローウッドの寄宿学校での生活〜ロチェスター家で家庭教師として生活をし邸主人のロチェスター氏に惹かれていくまでが描かれています。(境遇としては寄宿学校まではハリー・ポッターとよく似ています。)
他の訳は読んでいませんので比較はできませんが、大久保康雄氏の訳はすごく私の好みの訳で、言葉は柔らかく、上品。それでいてイギリス文学らしさが漂っています。(訳ならではのいいまわしから受けるイギリス文学らしさという意味です。)
主人公から脇役にいたるまで台詞のひとつひとつがとても丁寧に表現されています。これは下巻にもっとも言えることかもしれませんが、特にロチェスター氏のジェーンに対する言葉はとてもロマンチックに聞こえましたし、彼の愛が少なくとも私にはダイレクトに伝わりました。そういう小さな点でも、外国文化にどっぷり浸れるので、ロマンチック好きの方には是非、大久保康雄氏訳をおすすめします。