「ジェンダーとは肉体的差異に意味を付与する知なのである」。
肉体的な性差をもとに社会的な性差が生まれたのではなく、
社会的な性差がつねにすでに肉体的な差異の神話を、
遡及的に生み出し維持してきた。構築してきた。といった論旨。
ジェンダーと歴史学という別々の領域を結び付けたということで、
本著はジェンダー学の教科書になっている。
しかし読者が気づくのは、歴史学からジェンダーという分野が疎外されてきた事実そのものが、
アカデミズムの世界のジェンダー的偏りを物語っているということだろう。
1941年生まれのスコットの著作を、1945年生まれの荻野美穂が翻訳している。