実は、わたしは「フェミニズム」という言葉に弱い。なぜか、近寄ると「やばい」と思っていた。ところが解説を書いているのが、つい最近読んでハマってしまった『モノと子どもの戦後史』の著者、天野正子だと知って、ついつい買ってしまった。意外におもしろかった。わたしは教育といえば、学校教育をさすものと思っていた
。ところがこの本は、教育は、人が生まれてから死ぬまであらゆる場面で行われるという。幼稚園から大学、クラブ活動からスポーツ、中高年のおばさんのエンパワーメント、教育熱をめぐる家族格差や子育て支援の格差まで、扱っている範囲がとても広い。その多くの場面で男と女を分かつ「男子基準」がいかにも自然な形で組みこ
まれている。この本で展開されている議論の多くが、わたしの経験とも合致するではないか。この本を読み終わって、わたしにとっての一番大きな収穫は、「フェミニズムとは、まず自分と自分のおかれた状況を知ること」という言葉への深い共感だった。じわじわと元気が出てきた。