ジェリー・マリガン

 

Gerry Mulligan 【ジェリー・マリガン】~バリトン・サックス奏者の第一人者~

Text : The Walker's 加瀬正之

BT's Great Album
晩年まで多くのリーダー・アルバム、多くの名盤を残したジェリー・マリガン。他のリ ーダー作品もぜひ耳にして欲しい。ジェリーのバリトン・サックスの音色は永遠です!


ウエスト・コースト・ジャズを確立したといえる名盤!
asin 『オリジナル・ジェリー・マリガン・カルテット ジェリー・マリガン』: 「Pacific Jazz Records」からリ リースされた2 枚の10 インチ盤「PJLP1」 「PJLP5」を中心に収められたオリジナル・ジェリー・ マリガン・カルテットの初期、1952 年の音源。全18 曲収 録で、ウエスト・コーストで絶大な人気を誇ったチェット・ベイカ ー(tp) との絶妙なコンビネーションが最高のピアノレス・カルテッ トによる一枚。東海岸のジャズとは異なるウエスト・コースト・ジャ ズの独特の雰囲気もこの作品を聴けば分かるだろう。4 人のメン バー(ジェリー・マリガン、チェット・ベイカー、チコ・ハミルトン、 ボブ・ホイットロック) が上を見上げるジャケットも当時として は斬新で、クールなウエスト・コースト・ジャズらしさ が漂う。このカルテットの成功がウエスト・コ ースト・ジャズを隆盛させた。




ジェリー・マリガン絶頂期の貴重なライヴ音源!
asin 『セクステット・ライヴ・イン・アムステルダム1956 ジェリー・マリガン』: 1956 年4 月7 日アムステルダ ムの音楽殿堂コンセルトヘボウで録音された ジェリー・マリガンがオールスター・セクステットを率 いて行われたコンサートの模様を収録した貴重な音源。ズ ート・シムズ(ts)、ボブ・ブルックマイヤー(tb) に、ベースは『さ よならバードランド』『ジャズ・アネクドーツ』の著者としても知ら れるビル・クロウ。1956 年といえば、ウエスト・コースト・ジャズ が最も輝いていた頃で、絶頂期でもあったジェリー・マリガンの プレイも感動的! 全15 曲、本当に貴重なライヴ音源だ。尚、 同じくアムステルダムの音楽殿堂コンセルトヘボウで録音さ れたサラ・ヴォーン、チェット・ベイカー、J.J. ジョン ソンの歴史的音源も当アルバム同様に『55 Records』より発売中です!



ジェリー・マリガンのピアノも味わえる代表作のひとつ
asin 『ナイト・ライツ ジェリー・マリガン』: アート・ファーマー(tp)、ボブ・ ブルックマイヤー(tb) にジム・ホール(g) 等 が参加した1963 年録音の作品。オープニングの「ナ イト・ライツ(1963 ヴァージョン)」ではジェリーがピアノを 披露し、ラストの「ナイト・ライツ(1965 年ヴァージョン) でも ジェリーがバリトン・サックスではなくクラリネットを吹いている等 異色な面もあるが、ジェリー・マリガンの代表作のひとつとして人 気が高い名盤。勿論、他のナンバーでは自慢のバリトン・サッ クスの重厚な音色も味わえる。ボサノヴァ・ナンバーの「カー ニヴァルの朝」やショパンのクラシック・ナンバー「プレリ ュード: ホ短調」等、サウンドもムード満点で静かな 夜に聴くには最高の一枚。都会の夜景を描 いたジャケット写真も素敵だ。




映画『私は死にたくない!』
原題は「I Want to Live!」。1958 年に製作・公開されたロ バート・ワイズ監督のアメリカ映画で、スーザン・ヘイワード が主演し、実在の死刑囚バーバラ・グレアム役を演じた映画 (この作品でスーザン・ヘイワードはアカデミー主演女優賞を 受賞) だが、音楽はジョニー・マンデルが担当し、ジェリー・ マリガンが自慢のバリトン・サックスで演奏している。映画の オープニングでもジェリー・マリガンの演奏をバックにクレジッ トが流れ、ミュージシャンとしてジェリー・マリガンの姿も登場 する。映画のDVD は勿論、サウンド・トラック盤もリリース されているので機会があればぜひ見てもらいたい。その他、 ジェリー・マリガンの演奏シーンが拝める映像としては、『私 は死にたくない!』公開と同じ1958 年に開催された「第5 回ニューポート・ジャズ・フェスティバル」を記録したドキュメ ンタリー映画『真夏の夜のジャズ』(1960 年公開) もお薦め!



ジェリー・マリガンについて
ジェリーに触れた文献としては、ジェリーのグループでレギュ ラー・ベーシストとして活躍したビル・クロウ著(村上春樹翻訳) 『さよならバードランド-あるジャズ・ミュージシャンの回想』(新 潮文庫) がお薦め。ジャズにおける貴重な記録でもあります。



ジェリーの名がドラマ『相棒』に?!
2009 年10 月21 日に放送された水谷豊主演の人気刑事ド ラマ『相棒』のSeason 8 ~第2 話「さよなら、バードランド」 で、水谷豊扮する杉下右京がジェリー・マリガンのピアノレス・ コンボについての語るシーンが登場する。水谷豊が個人的に ジェリーのファンなのか、第2 話の脚本家(太田愛氏) の独 断によるものか、ジェリーの名が登場した経緯は定かではな いが、ジャズ・ファン&ジェリー・ファンにとっては嬉しい限りだ。


バイオグラフィー

1927 年4 月6 日、米国ニューヨーク州ニューヨーク市クイーンズ区生まれ。本名はGerald Joseph Mulligan。7 歳からピアノを弾き始め、その後クラリネットを手にする。10 代の頃から曲を書き始め、サム・コレッティにサックスを教わる。父親の仕事の関係でフィラデルフィアに移り、17 歳の頃にはラジオ・バンドのアレンジを担当。46 年に故郷のニューヨークに戻り、19 歳の頃からジーン・クルーパーやクロード・ソーンヒルのグループのアレンジを手掛ける。49 年にマイルス・デイヴィス
(tp) の9 重奏団の参加し、後に名盤『クールの誕生』が生まれた。52… 続きを読む

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