内容(「BOOK」データベースより)
本書で紹介する『乞食オペラ』は、チェコ共和国のヴァーツラフ・ハヴェル大統領が書かれた戯曲で、プロット設定の巧みさ、生き生きと描写されている登場人物の個性、舞台でやり取りされる台詞の洗練さと機智、これらすべてにおいて観客や読者を魅了する芸術的価値の高い完成された劇作品である。
内容(「MARC」データベースより)
チェコ共和国の大統領、ヴァーツラフ・ハヴェルによって書かれた戯曲、「ジェブラーツカー・オペラ(乞食オペラ)」。芸術的価値が高いだけでなく深い歴史的・社会的意義をも備えたこの作品を紹介、裏にある意図を解説。
著者 本多正英
チェコ大統領が官憲腐敗を描いた諷刺劇 政府が全体主義のもと全権力を把握する時権力は腐敗し,自由な言論は圧殺される状況が発生する.1968年に「プラハの春」と呼ばれた「人間の顔を持った社会主義」への試みがワルシャワ条約軍の介入による戦車の轍(わだち)により踏みにじられ,自由が虐殺されたチェコスロバキアはこのような状況に置かれ,絶望が全土を支配した.
自由な言論は反政府的な破壊行為とされ,秘密警察の弾圧を恐れ意思表現は歪められ,言語の乱れが正常なコミュニケーションを不可能な状態に追いこんでしまった.このような言語の混乱は思考の面における精神分裂症状を引き起こし,国民・民族としてのアイデンティティが見失われる恐れさえ見られるようになった.
こうした状況にあった1972年のチェコにおいて,官憲の腐敗を描くとともに国民的精神分裂の危険への警告としてハヴェル氏が書き上げたのが政治・社会諷刺劇『ジェブラーツカー・オペラ』<乞食オペラ>である.
自由な言論の重要性,政治の腐敗の本質,言葉の乱れが及ぼす健全な思考への重大な影響など,現代日本人にとって『ジェブラーツカー・オペラ』から学ぶべきことは多い.それとともにこの戯曲を通じ,チェコ共和国現大統領ヴァーツラフ・ハヴェルという現代を代表する思想家に親しんでいただきたい.
なおこの戯曲は1975年に1度だけ舞台にかけられた後に当局により禁止され,著者がチェコ共和国大統領となってからも忘れ去られた状態にあった.したがってこの戯曲が日本に紹介されるのは今回が始めてである.
日本語への翻訳と平行して進められた英語訳
は日本語版に先行して2001年半ばにコーネル大学出版局から出版されている.
本多正英(翻訳者)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ハヴェル,ヴァーツラフ
1936年5月10日プラハで生まれる。20代前半より戯曲の執筆を始め、作家同盟の一員として民主化運動に参加。1989年11月9日「ベルベット革命」の先頭に立ち、民主化運動の核「市民フォーラム」を指導。その年の12月29日にチェコスロバキアの臨時大統領に就任。1990年7月5日の自由選挙を経て連邦議会はハヴェル氏を新大統領として正式に任命。1992年にチェコとスロバキア両共和国に分離。1993年1月26日初代チェコ共和国大統領に就任し、5年後に再選され現在に至る
本多 正英
1932年大阪府生まれ。大阪大学文学部卒、ボストン大学大学院留学、コロンビア大学大学院留学。毎日新聞記者、武庫川女子大学教授、ワイオミング大学客員教授を経て、現在、武庫川女子大学名誉教授
スタイナー,ピーター
1946年チェコ共和国プラハ生まれ。イェール大学大学院卒、カレル大学卒、ペンシルバニア大学文学部教授、ノース・カロライナ大学、ルーベン・キリスト教大学(ベルギー)ほか客員教授。現在、ペンシルバニア大学教授
Fidler上田 雅子
1959年東京都生まれ。早稲田大学ロシア文学部卒、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校卒、スラブ学大学院卒、現在、ブラウン大学スラブ語学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1936年5月10日プラハで生まれる。20代前半より戯曲の執筆を始め、作家同盟の一員として民主化運動に参加。1989年11月9日「ベルベット革命」の先頭に立ち、民主化運動の核「市民フォーラム」を指導。その年の12月29日にチェコスロバキアの臨時大統領に就任。1990年7月5日の自由選挙を経て連邦議会はハヴェル氏を新大統領として正式に任命。1992年にチェコとスロバキア両共和国に分離。1993年1月26日初代チェコ共和国大統領に就任し、5年後に再選され現在に至る
本多 正英
1932年大阪府生まれ。大阪大学文学部卒、ボストン大学大学院留学、コロンビア大学大学院留学。毎日新聞記者、武庫川女子大学教授、ワイオミング大学客員教授を経て、現在、武庫川女子大学名誉教授
スタイナー,ピーター
1946年チェコ共和国プラハ生まれ。イェール大学大学院卒、カレル大学卒、ペンシルバニア大学文学部教授、ノース・カロライナ大学、ルーベン・キリスト教大学(ベルギー)ほか客員教授。現在、ペンシルバニア大学教授
Fidler上田 雅子
1959年東京都生まれ。早稲田大学ロシア文学部卒、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校卒、スラブ学大学院卒、現在、ブラウン大学スラブ語学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)