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ジェノサイド
 
 

ジェノサイド [単行本]

高野 和明
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (203件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

創薬化学を専攻する大学院生・研人のもとに死んだ父からのメールが届く。傭兵・イエーガーは不治の病を患う息子のために、コンゴ潜入の任務を引き受ける。二人の人生が交錯するとき、驚愕の真実が明らかになる――。

内容(「BOOK」データベースより)

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。

登録情報

  • 単行本: 590ページ
  • 出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011/3/30)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4048741837
  • ISBN-13: 978-4048741835
  • 発売日: 2011/3/30
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 3.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (203件のカスタマーレビュー)
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55 人中、45人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 気になる点が3つ, 2011/12/17
レビュー対象商品: ジェノサイド (単行本)
おおむね良作でした。台詞回しはちょっと少年ジャンプ的な臭さで
厳しいものがありましたが。
以下注意。ネタバレになるかも知れません。

気になる点1点目。
他のレビューでも書かれていますが、作者の歴史観。
日本人傭兵の描写に関しては特に違和感を感じませんでした。イエーガーは
ミックを殺した後に「一同を危機から救ったミックに、汚れ役を押し付けて
申し訳なかった」と反省し泣いています。戦争狂ではなく、適切な仕事を
こなしただけであった、と。
しかし南京事件などに関しては、今日まで流通してきた情報が多分に
プロパガンダを含んだもので非常に疑義があるもの、と明らかになって
きています。物語を語る上での必然性もなく、この辺の事情に詳しい読者には
違和感だけを残しています。

2点目。2人目の進化者が現れた時点で「あれ?主人公がこんなに苦労する必要は
なかったのでは?」と思います。例えば日本の進化者が主人公の父をもっと直接
支援したりできたはずです。まあそれをすると物語にならないわけですが…。
サプライズを狙い過ぎて(確かにサプライズではありましたが)破綻してしまった
感があります。

3点目。医療現場でのリアリティのなさ。謝辞を見るとなるほど臨床医への
取材が足りてなかったように思います。一定のスピードで進行する疾患であっても
「あと○時間」なんて正確に死亡日時を推定することは不可能です。また
死亡30分前ともなると低酸素による臓器障害が重篤な状態であり肺だけが改善
しても結局死亡は免れないでしょう。「退院の手続きをすれば薬が飲める」と
いうのも非現実的。ここは両親を説得して投与を強行する、という描写の方が
現実的だろうなと思いました。低酸素で死亡寸前なわけですから、本文では
描写がありませんが気管内挿管は当然されていると考えられます。となると
経鼻的に吉原ないし看護師が直接手を下して投与するしかないわけです。
(両親に薬だけ渡して「勝手に飲ませて下さい、僕らは倫理的に投与できません」
ってわけにはいかない)
医師としてはかなり違和感がありました。
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529 人中、423人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 エンターテイメントに徹していれば・・・, 2011/6/1
レビュー対象商品: ジェノサイド (単行本)
どことなく『パラサイト・イブ』を連想させる筋書きですが、エンターテイメントとしてはそれなりによく出来た本だと思います。
ただ気になる点を一つ。
序盤、米国人傭兵と日本人院生の話がどう重なり合っていくのか、導入部はわくわくさせるのですが
大学院生の協力者が「韓国人」留学生という段になってなぜか唐突に
彼の祖父と叔父が「実際の朝鮮人をロクに知らないのに朝鮮人を蔑視する下劣な差別主義者」
であったという回想が始まり、それへの反感から日本の過去を調べた結果
「日本人が関東大震災で罪もない朝鮮人を大虐殺したことを知った」のだという、
手垢の付いた日教組的歴史観の演説が挟み込まれ白けてしまいます。
これが何かストーリー上重要な伏線となるのかと思いきや、結局最後まで本筋と関係ない夾雑物、
何故協力者が「韓国人」である必要があったのかもよくわからず、
何の意味があったのか不思議だったのですが、作者によると
>「この話を書くにあたって一番注意したのは、公正を期すこと。
>様々な大虐殺(ジェノサイド)を描きつつ、日本人の過去にだけは目をつぶるのは、
>僕には出来ません。となると韓国との関係をきちんと描くことになります」
ということだそうです。
作者の歴史観が「公正」とはとても思えませんが、思想信条を作品に表すのはもちろん作者の自由です。
ですがこの作品であえてそれをやる必要があったのかというと・・・話の流れを遮る不純物にしか思えないのですが。
外国人同志の会話で人類の「善」を語る例がなぜか「ホームに転落した人を命と引き換えに助けた外国人」だったり
ネオコンの戯画化の行き過ぎや途中で処分されてしまう日本人傭兵の陳腐な造型といい
(わざわざ日本人にしたのはイラクで戦死した斉藤氏への悪意ある皮肉でしょうか)
この作品に関しては作者の思想的性向があまりいい方向には働いていないようです。
せっかく淹れたコーヒーに塩を放り込むような「公正」がこの小説に必要だったとは思えませんし
そこまで「公正」にこだわるなら韓国軍や共産諸国の行った虐殺まで「公正」に書かざるを得なくなってくるはずです。
例えば「韓国にひどいことをした日本」の話をしたいのであれば、それをメインテーマにした本を別にもう一冊書くべきで
この作品に無理やり押し込む必要はなかったのではないでしょうか。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 面白いのですが、詳細な部分では粗さも目立つ, 2012/2/18
レビュー対象商品: ジェノサイド (単行本)
「13階段」が非常に面白かったので、この著者の作品はいくつか読みました。
この作品はこれまでで一番力を入れた作品だというのは伝わってきましたが、これまでの作品とは作風が違っていたように思います。

途中までは、ぐんぐん読ませてくれます。SF系作品好きにはたまらない要素がたっぷり、映画を見るような壮大な世界観…。一気に読めました。

ただ、ストーリーの壮大さとは対照的に、台詞や人物描写やストーリの整合性など、話の詳細な部分では、粗さやバランスの悪さを感じさせる点があり、そこが残念でした。

全体的に台詞が青臭い感じがするのは、この著者の作品のほとんどに共通しているので気にはなりませんでしたが、この作品では人物の設定が非常に気になりまた。
主人公の学生はまだ若いので、多少幼稚で優柔不断であっても違和感を感じませんでしたが、重要な地位にある人物の行動が信じられないくらい軽々しかったり、韓国人の友人が普通の人なのにスーパーマン並みに何でもできてリアリティがなかったり、米国人のせりふも、息子の命が掛っている人の履くセリフとは思えないような軽さだったり、色々すごく違和感がありました。
また、日本人傭兵がひたすら残酷に描かれていますが、なぜそうなったか等の説明もないため、「そんな人いるか?」と非常に不自然で不可解でした。それでは、人間だれしもが持つ普遍的な残虐性とは関係のない、ただの異常者であり、作品のテーマと関連性がないのでは?

また、ラストについては、「それができるなら、そもそもこのストーリーが発生しないんでは?」というような、反則技の様な終わり方にしてしまったのが、もったいなく感じました。「あれ?じゃあなんで〜〜したんだ?」と、話の整合性がおかしくなるような気がしました。

あと、幾つかコメントで見かけたとおり、作者の歴史認識や主張が非常に強く出ている作品でした。ストーリーの中で自然に表現されるのではなく、ストーリーの調和を乱すような形で唐突に「日本人は文字も発明できなかった」の様に出てくるので、正直うんざりさせられるかもしれません。読者が日本人だから、ジェノサイドとして、「南京大虐殺」や「関東大震災での朝鮮人虐殺」が出てくるのかもしれませんが、一般的な日本人なら、「南京大虐殺」はともかく、ジェノサイドとして「関東大震災」の件はピンとこないでしょう。それより、広島長崎の原爆投下や、東京大空襲がイメージされるのではないでしょうか?著者の歴史観は、あまり一般的でないように思います。また、歴史的にも曖昧な点が多いこれらの事件を、リアルな事実の様に取り上げることは危険でもあると思います。
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