「チーム・バチスタの栄光」で初めてこの作家の作品を読んだのだが、個人的には、本作品の方が切れ味がいいように思う。速水と沼田のやりとりは実に興味深い。この作家が書く作品をミステリーというカテゴリーに入れられるかどうかは、読者次第ということになるが、ストーリー展開や人物描写は優れていると思う。またこの作品は、日本の救命救急医療のあり方にも疑問を投げかけている。速水も語っているように、医療の現場、特に救命救急「ER」に資本主義を持ち込むべきであろうか?医療も確かにビジネスかもしれない。しかし、重要なインフラでもある。出産、急病、事故は待ったなしでやってくる。儲かる患者のみ受け入れる。そういう病院があっていいのだろうか。お金がないと適切な医療を受けられないのだろうか。
話は少しそれるが、現在放送中のドラマ「医龍2」でも同じことを伝えているような気がする。医療機関だから、金を湯水のように使っていいというわけではないが、医療機関が採算のみを重要視するようになった時、日本の医療は崩壊するであろう。