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23 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
周期的に読み返したくなるヴォネガットの魅力とは?,
By
レビュー対象商品: ジェイルバード (ハヤカワ文庫 SF (630)) (文庫)
例えば音楽 CD。これを何度も何度も聴きなおすことに疑問を感じる人は少ない。ごく当たり前のこととして誰もが行っている。しかし本と CD は、多くの人の中で「異なる」もののようだ。「この本はもう20回読んだ」というと「よほど本が好きなんだね」という反応が戻ってくることが多い。確かに1度しか読まず、かつ読まなければよかったと思う本は多い。しかし。ヴォネガットは周期的に何度でも読み返したくなる作家だ。彼のストーリーテリングのうまさは言うまでもないが、彼の伝えるメッセージに、ある意味「汎用的」なところがあって、そのメッセージに「同期」するようなシチュエーションにあるとき、何度でも手にとって読み返してしまうのだ。 本書は『青ひげ』同様、主人公の「自伝」のような形で話が進む。また、これも『青ひげ』同様に時間の流れが複雑に錯綜する。但し(これも『青ひげ』同様なのだが)錯綜する時間の流れが、ヴォネガットのメッセージを理解する妨げには一切ならない。 ヴォネガット自身も認めた好著。確かに魅力的な一冊だ。
24 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
やさしい前科者,
By カスタマー
レビュー対象商品: ジェイルバード (ハヤカワ文庫 SF (630)) (文庫)
どんなにひどい時代だろうと、結局それに踊らされなくては生きていけない。「やさしさ」なんて焼け石に水。でも、どんなひどい時代にも「やさしさ」は存在する。それさえ忘れなければ、まあ何とかなるんじゃないか、という気がしてきます。主人公の「踊りっぷり」と「やさしさ」に、今だに感動しています。SF的要素は皆無ながら、ヴォネガットの傑作です。でもSF並みに奇想天外ですけど。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人生は勘違いと思い込み,
By ぷく (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ジェイルバード (ハヤカワ文庫 SF (630)) (文庫)
後期ヴォネガットの代表作のひとつといっていい。ヴォネガットらしさに満ちて、構成もうまい。 ヴォネガットは、金や富をファンタジーとして扱う。 金持ちは、富を分配することで世の中をよくしたり、 人々を救うことができると真剣に考えている。 「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」も 同様のテーマが扱われていた。 双方で違うのは、エリオット・ローズウォーターは幸せだったが、 「ジェイルバード」のメアリー・キャスリーンは そうとは言い切れなかった、といった差だけ。 彼らは資本主義社会のファンタジーであり、魔法使いなんだな。 「ジェイルバード」では、本人の意向や思惑を大きくそれて、 誤解の上に待ち受ける、思いがけない展開に流されてしまう 人々の物語とも取れる。 人生は、勘違いと思い込みで彩られているのかもしれない。
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