コジマとキジマはおさななじみ。真面目で成績もよく皆から「いい子」と言われているコジマと、人の言うことを聞かない天邪鬼のキジマ。そんなふたりが村の老人に聞いた「自分の中にあるやわらかくて傷つきやすいものを守るために、盾、シールドを持て」という謎の言葉。さてそれではシールドとはなんだろう?
中学から別々の道を歩み始めたふたりは、それぞれにシールドを探し求めながら生きていく。ふたつの人生は浮き沈みしつつ、「これがシールドだ」と思えるものを得た。しかし地位や名誉や金にシールドを求めたキジマにはあまりにも切ない結末が。一方のコジマは平凡だが、一番大切なものが(家庭や自分がありのままの自分でいられる仕事だったり)最も得がたいものであることに気づいた。
コジマのようにいい子を演じて人の目を気にして自分らしさを失ってしまったり、キジマのようにステイタスを求めたりする気持ちは誰しも持っていて単なる通過点のような気がする。最終的にそれらの経験の中からなにを得たのかが大切なのだと思う。シールドは簡単には手に入らないし、持っているのに気づかない人だっているだろう。
本書は大判かつイラストも豊富で子供にも読みやすいが、内容は大人にとっても考えさせられるほど深いものになっている。ラストシーンで泣きました。