インドの根源的神といえるシヴァ神崇拝はファロス、リンガ(勃起男性器)の崇拝でもある。インドでは男女の神々の交合歓喜の彫像のある神殿があるが、それが人間、また動植物の生命の根源につうじる尊崇すべき行い、人間がその身体と心に自然をとりもどし解放する行いであるとする。
ヴェーダやウパニシャド、ヘシオドスなどを参考にしながら、タントリズム、イニシェーション、ヨーガの修業の仕方、その目指すところ、そこから人間の完成への放浪の旅の方法などが書かれている。シヴァはギリシャ神話のディオニソスに通じ、ディオニジアでみられる性的狂乱秘儀の祭典との共通性、ギリシャの神々とアーリア以前のドラヴィダ人種アスラの時代の神々との類似、山の神としてのパールヴァティとギリシャのレア、アルテミスとの共通性、ゼウス、アフロディティなど論じている。
雄牛の供儀、人身供儀などにも言及。また世界の神話の古層から、西欧キリスト教の祭りへの影響も語られる。勃起男根崇拝、男性中心のストーリーで、女神は仲介者である。とりとめなくインドやギリシャ神話の事件や神々がでてくるが、古代インド人の考えた人類本然の性の自然を理解でき、一読に値する。