落ちこぼれ兵士の主人公は、事ある毎に、部隊を抜け出しては、土着の子供と美しい海で遊ぶ、普通の青年。自由を愛し、組織にとらわれない今時の青年が、経験を積んだ上司に諭され、仲間と危機を共有するうちに共同体に帰属意識を抱き、その中で責任感を育み、仲間と部隊を守るために、極めて自然に自らを犠牲にするに至る。
これが、戦場でなく普通の職場であったなら、青年が成長し大人になる過程で身に付けていく、社会や組織に対する愛着から生じ、義務感や責任感といったものに由来する行為で、賞賛されこそすれ、殊更問題にされることはないのだろうが、作者は、帰属意識や愛着を盾にして個人に犠牲を求める組織を厳しく批判する。
会社の中で、責任感から同僚と仕事場を守るため、一身を犠牲にして日夜働くアナタのための作品。本当に守らなければならないのは、会社でも仲間でもなく、あなたとあなたの家族かも知れない?
ひたすら自分の威厳を保つことしか考えない駄目上司のミスから、侵攻してくる日本軍の大部隊の前に孤立してしまった部隊と仲間。危機的な状況が理解できない者、ミスを恐れる余り判断力を失った部隊長、残される家族のために危険を冒せない者、まともな判断力と行動力を示せる者は、極僅か、自分がやるしか方法がないと悟った途端、主人公は気だるいような責任感を感じる。帰属部隊を救うため自ら囮となり、進軍する日本軍の前に踊り出る主人公は、部隊を逃がすため奔走し、捕まった時には、死の恐怖よりむしろ、達成感を感じる。この場面、必見。
と、ビデオ版にも書きました。最後、新任の将校の演説が部隊を家族に例えて「自分が父親で、部下は子供」というのを聞かせながら軍曹に「嘘だ、騙されるな」と言わせるのは、結局、戦争でも人生でも口車に乗って死んだらお終いってことでしょうか。
何で見たかは、忘れましたが、アメリカで「印象に残る戦争映画トップ10」(2003年末調べ)の堂々2位を獲得してます。