個人的には長い間、Blu-ray化されるのを待ちわびた作品です。
これはあくまでも個人的な感情ですが、何度も繰り返し観ても…嗚咽が抑えられない作品です。
本作は人類が永遠に解決できないテーマではないでしょうか。
希望や輝きは失われて…現実のみが残ります…。
アメリカでは昨年にBlu-ray版が発売されましたが、特別パッケージとブックレットがついた"The Criterion Collection"として発売されています。
ディスク内容は今回の国内盤と同じようですが、アメリカと同じ仕様で発売して欲しかったです。
せめて初回限定版仕様などで出してもらえないでしょうか?(今からでも…)
作品としては星5ですが、日本仕様のやる気のなさに4にしました。
本作はスピルバーグ監督作品の"プライベートライアン"と同じ頃に上映されたもので、上映時には”プライベート〜”と比較されてあまり評判は良くありませんでしたが、個人的には最も好きな戦争映画です。
”プライベート〜”はミッション達成型の非常にストレートな映画ですが、本作は戦争に携わる人間の内面が描かれています。
ジャンルは戦争映画ですが、内容は文学作品的なヒューマンドラマなので、ハリウッド的”戦争映画”を期待すると大いに裏切られます。
本作は”戦争映画”ではないので、戦いの舞台の詳細や戦いの規模についての説明は一切ありません。
史実ではアメリカ軍の上陸は完全に奇襲であって、各地で壮絶な局地戦が繰り広げれます。日本軍には十分な食料や武器の備蓄はなく、戦いの後半には物資や食料の不足で苦しみます。餓えに襲われる部隊も多く、万歳攻撃による玉砕も行われました。
本作ではこうした日本軍の事情が正しく伝えられていると思います。
十分な物資を持ち、物量で勝利していくアメリカン軍の姿は、アメリカ人にとっては屈辱的なこと(勝って当たり前であり、物資もないのに対等に戦う敵は凄すぎるから)なので、太平洋戦争を描く昔のハリウッド映画ではあまり描かれません。
ジョン・ウー監督の”ウィンドトーカーズ”ではドイツ軍ばりの重装備の日本兵が敵であったりして違和感がありました。
太平洋戦争初期のガダルカナル島での日米の戦いが舞台ですが、本当に美しい自然の中で戦い続ける人間達。
平和に暮らす島民達。この比較がとても恐ろしくも悲しいです。
テレンス・マリック作品ならではの美しい映像はまるで映像詩のようで目を見張ります。
作曲はまだブレイクする前の巨匠ハンス・ジマー。
本作は彼の転換点でもあり、それ以降に使われる彼独特の旋律がいくつも登場してきます。
カメオ出演で登場している有名俳優も楽しいですが、この映画を転機に有名になった俳優達が登場するのも見所ではないでしょうか。
本作のような美しい映画がBlu-rayで観られるのは本当に嬉しいことです。