最近なら『スパイダーマン』シリーズ、ちょっと前ならスプラッタホラーの金字塔『死霊のはらわた』で有名なサム・ライミの『シンプル・プラン』。いい作品なのに、未だにパッケージがリニューアルされてない。
物語は父の墓参りに出かけた兄弟と兄の友人が、ふとしたきっかけで雪に埋もれた飛行機を発見したことから始まります。機体の中には目の眩むような札束の山。「ほとぼりが冷めるまで隠し、あとで山分けする」――そんな、「プラン」とも言えないような単純な約束を交わす3人。それをちゃんと守れば良かったものを、大金の前に互いの思惑が衝突して取り返しのつかない悪循環を引き起こしてしまうという、ある種典型的なクライム・サスペンスでしょう。
特にフィルム・ノワールにおけるファム・ファタールや、マクベス夫人のような作為的欲深さに満ちているわけではないですが、「今より裕福な生活」に手が届くと思ってしまってからの弟の妻の言動が印象的で、将来こんなこと言われちゃったら泣いちゃうようなリアリティを誇っておりました。実際、彼女の「プラン」が「シンプル」さを奪ってしまった側面もあります。
そして、真っ白に開けた世界で繰り広げられるストーリーなのに、その白さを覆い尽くす息苦しさに注目です。いや、その白さこそ問題なんでしょうか。