本当に怖い。ストーリー自体は非常に地味といっても良いと思います。アクションが散りばめられているわけでもなければ、スピード感あふれるわけでもなく、世界をまたにかけて展開していくわけでもありません。ただ、ある事件をきっかけに、そして現代社会に組み込まれている人間としては当然とも思えるちょっとした’欲’を出したがために、意識しないうちに崩れていくもの。’自分達を守るため’にしなければならないと確信していたことが、本当は’自分達を貶めている’ことに気づかない、そして気づいたときにはすでにブレーキが効かない時点まで来てしまっている怖さ。特別なことではなく、本当にごくありふれた私のような人間にも起こり得ると思える無気味さ。読んでいる最中に本当に背筋に寒気が走ります。