最初、「シンシロ」って聞いたときシンクロの間違いじゃないか?と思ったが
ラジオでの発言によると新しい白=シンシロ、ってことらしい。
サカナクションってバンド名もサカナ+アクションを合わせた造語だけに納得した。
組み合わせることが好きなバンドなんだろう。音楽にもそれが現れている。
で、このサードアルバムは今までで一番タフなアルバムである。
お馴染みの実験的な曲やコアな曲は少なめで、サカナクションのポップな部分を全面的に押し出しているという思い切ったアルバム。
サカナクションの音楽というのは、割と90年代後半以降のロックバンドが成し遂げてきた方法論を
踏襲しているというイメージがあって、実際音を聴いても長年ロックを聴いてる身からすると「あ、これはあれっぽい」とか
そういった類似性を感じることが多い。
しかし個人的にはそれでもいいと思える。なぜなら単純に曲がいいからである。これに勝るものはない。
先行シングルの「セントレイ」とかは、正にシングルにするために生まれてきた曲と言う感じのするキラーチューンだし
「アドベンチャー」のメロディーの突き上げとビート感も心地よい。
サウンドと波長が合っている歌詞や、メロディの丁寧さこそが本質と思えるくらい。
つまり、サカナクションの魅力というのはアレンジの奇抜さや、バンド・スタイルの格好良さ以前に
曲ありきでバンドが動いてるんだな、と思えるところだと。
職人肌だな、と感じる。
「ライトダンス」や「ネイティブダンサー」など前半の曲は飛ばし気味で、
これがまたアグレッシヴで良いのだが間にストレートなインスト・テクノ「minnanouta」を挟んでからは
ちょっと異色な「黄色い車」と「enough」が入り込んでくる。
この2曲、どちらも途中からガラッとサウンドが変わる感じの曲で、「黄色い車」に関しては
サカナクションのイメージにはない、激しいギターソロが途中から入る。
その後、しんみりと締めると思いきやキラキラのポッポチューンを立て続けに流してこのアルバムは終わる。
サカナクションは打ち込み系のロックバンドだけど、最近の歌謡曲よりも
アレンジやメロディーがポップだし、聴きやすい。詞もストレートに入ってくる。
それでいてマニアックな部分も往々にして持っている。
そんなサカナクションのポテンシャルが振れなく抽入された代表作です(と、言っていいと思う。個人的には)。