不思議なサウンドです。ジャンルでいえばロックなんですが、それに絡むキーボードの音?やらがオシャレで独特の切なさを漂わせています。(音楽に詳しくないのでどういう方法を使っているのかは分かりません)とにかく音作りに凝ってる印象です。どれから切っても「サカナクション」だな、と思わせます。ボーカルの声質や謎のフレーズの繰り返しはフジファブリックにも共通しているかも。曲調が突然変わるのも面白いです。
そして歌詞の魅力。m-8で「庭で死んでいた蝉をみて 自分もいつか一人になると知った」「何度でも何度でも嘘つくよ 人らしく 疲れても それしかもうないんだ」を聴いて泣きたくなりました。この曲の「enough」というタイトル、歌詞と一緒にじっくり味わってみるととても深いです。山口さんの葛藤を感じます。他の方のレビューにもありますが、言葉の選び方がどれもいいです。どうやらサカナクションの曲の中では異色的存在らしいm-6〜8が超絶に好きです。この3曲がなければファンにはならなかったかもしれません。もしかすると、「演奏の現代っぽさ(斬新さ)」と「歌詞の独特さ(素朴さ)」がこの不思議な感覚を生み出しているのかもしれません。m-1、Ame(B)にちなんで、しとしと降る雨の夜や、リラックスしたい休日の午後に似合う一枚。m-11は、アルバムの締めとしてふさわしい壮大なイメージです。イントロが中華を思わせました。