昨年は「ハイファイ新書」リリース以降、様々な活動をみせた相対性理論の新作「シンクロニシティーン」。簡潔に言うと、期待通りの素晴らしい作品だった。
まず今作はバンドサウンドがしっかり感じられるアレンジになっているのが嬉しい。楽器のテクニックも堪能でき、聴きやすさの中に衝動的な勢いも感じられる。特に相対性理論のアンセムと言える「ミス・パラレルワールド」、「スマトラ警備隊」と肩を並べるほどのロックナンバー「気になるあの娘」などは、素直にこれが聴きたかったんだと思えた。
もちろん前作を踏襲したような「シンデレラ」や「小学館」なんていう曲もあり、シュールな言葉遊びも健在。ラフなポップス「三千万年」も斬新で良かった。さらに「ペペロンチーノ・キャンディ」では脱力なラップまで聴けてしまう。という具合に、様々な聴きどころが用意されている。
そして今更ながら、歌が素晴らしい。前作ではサウンドも含めピントがぼけているような印象もあったが、今作ではクリアに聴こえ、尚且つ、曲によって歌い分けがきちんと成されている。曲の表情が非常に豊かに聴こえるのだ。
アンドロイドのようだったやくしまるえつこのボーカリストとしての個性の解放。そこが最も楽しめた部分だったかもしれない。
とにかく、ロックバンドとしての相対性理論の良さが再び感じられた作品。そして個々の活動で肥大していた相対性理論像をひとつに凝縮した、現時点での集大成のような濃い作品である。
ゆえに聴き応えは抜群。やはりこのバンド、おもしろい。