フォーカスされる人やショーが次々と変わり、パンフレット並みに浅い紹介にしかなっておらず、詰め込みすぎの感は否めない。
誰かに若しくはラスベガス等一点に焦点を定め、そこから枝を張るように対象魅力を広げていくのであれば、書く範囲は狭まってもよりシルクの魅力を書き出せたはずだが、あちこちつまみ食いをされ散らかされたようで、引き込まれるシルクのショートは異なり、本としての深みや味わいに欠ける。
シルクを知らない人向けには良いのかも知らないが、日本人でシルクに関する書籍を3冊も出しているのは著者だけなので、いつまでも表層をなぞるだけのような薄口の文章を読まされては、ショーに触れて、よりシルクについて知りたくなり、ネットなど以上の情報を得たくて本書を手にした読者を、引き込み、その好奇心を満たしきることはできまい。
シルクには何人もの日本人アーティストも、東京の常設会場も、カナダに留学中の日本人サーカス学校生もいるのだから、是非次回策は、そちらにフォーカスした読み応えのある文章を期待したい。