喜多郎の他のアルバムCDのレビューにも書いているが、南里プロデューサーが関与した時期の喜多郎の曲は、制作会社の陳腐なコンセプト・安易な企画により寄せ集められ、「ベスト盤」としてしばしば発売されてきた。
かつて喜多郎自身も、「僕が知らないところで、レコード会社がベスト・アルバムを数多く作っている」と苦言を述べた事がある。
本アルバムは、喜多郎がポニー・キャニオン在籍時に南里プロデューサーのもとで発表したオリジナル・アルバム「シルクロード」「シルクロードII」そして「敦煌」からの選曲。
この頃の曲からなるベスト盤には、アルバム「OASIS」や「氣」からも選曲されているものが多いが、NHK特集「シルクロード」のためにつくられた3枚のアルバムに絞った事で、『ベスト・オブ・シルクロード』音楽集としてのコンセプトが明確になった。
「OASIS」はNHK特集「シルクロード」の音楽担当になる前の作品であるし、「氣」は長岡秀星とのコラボレーションの集大成としての性格が強く、それらのアルバムの曲を敢えて外した決断が奏功した。
喜多郎のベスト盤は、喜多郎自身の知らないところで制作され、ベスト盤としてのコンセプトの低さに呆れる事がしばしばだが、このベスト盤は例外的に良い。
まずはベスト盤から、という人には本作品をお勧めする。
ただ、私は、「初めて喜多郎のCDを買うという人には、ベスト盤ではなくオリジナル・アルバムを買っていただきたい」との考えであり、その意味で星は4つ。