世界で最も知られているフランス演劇であり日本でも何度も演じられている古典を、原作に忠実に、リズムとスピードを重視して訳した最新版。17世紀フランスの詩人かつ剣の達人だったシラノの片想い。
大きな鼻にひけめを感じているシラノは、仲良しの従妹ロクサーヌへの想いを諦め、二枚目の若者クリスチャンの「代役」として愛の詩を送り続ける。自分の心情を偽りつつ、しかし、手紙では本心をつづる。外見よりも愛の言葉にほれていくロクサーヌと、それを知って悩むクリスチャン。その結末は。。。。くーっ!シラノの片想いも切ないが、クリスチャンも切ない!言葉と声に真実が宿るロマン主義の極地の物語であり、身近にある愛が結実するかしないかをめぐるメロメロなメロドラマ。
掛け合いのようなセリフ分割や時に七五調のようにも聴こえる心地よいリズム。周囲の男たち女たち(とくに「ガスコン青年隊」といわれる仲間たち)とのやりとりもおもしろい。一気に読んで泣きましょう。