1972年1月、5月 ミュンヘンにて録音。マウリツィオ・ポリーニの代表的名演と言える完璧な演奏である。人間の10指はここまで正確にここまで完璧に音楽を表現できるものなのか、と思うほどに完璧で、これ以上のショパンの練習曲の演奏はこの世にこれから登場することはないだろう、と初めて聴いた当時思ったのを覚えている。
しかし、それからおよそ40年を経た今、ここまで数多くの名演奏に触れてきて、このアルバムを聴いた方に是非とも聴いていただきたいアルバムがあるので、書き留めておきたい。おそらくは、このショパンの『12の練習曲 作品10/作品25』に対する考え方、聴き方が変わると思われる。
それは、マルカンドレ・アムランの演奏する『Godowsky: Complete Studies on Chopin's Etudes』だ。ショパンのエチュードをさらにゴドフスキーが難易度をアップさせた曲が存在するのだ。それが『Godowsky: Complete Studies on Chopin's Etudes』なのだが、左手だけでショパンのエチュードを22曲弾くなどあまりに難易度が高く、誰も完全な形で演奏にしえなかったのだが、これを成し遂げたのがマルカンドレ・アムランなのだ。このアルバムは、2000年度グラモフォン賞を受賞している。
ポリーニのこの演奏の『先』があるかないか。是非ともこの曲を愛する方に聴いていただきたい。