1975年11月ウイーンで録音。24の前奏曲が1974年6・7月ミュンヘンで録音、あのエチュードOp.10,Op.25が1972年録音でありその3年後に録音されたことになる。
フレデリック・ショパン(1810-49)は実際は16曲のポロネーズを残しているが作曲者自身によって作品番号が与えられているのは7曲である。この中で最も傑作なのが第5番から第7番までの3曲と言われている。特に第5番はポリーニにとって因縁深い曲だ。1960年、弱冠18歳にして第6回ショパンコンクールを満場一致で完全制覇し その時、審査委員長を務めていたアルトゥール・ルービンシュタインが彼を評して、「技術的には 私たちの誰よりも上手い」と絶賛したのは有名な逸話だがその時の演奏曲がこの第5番なのだ。そして彼の全レパートリィを見ても自ら価値のあるものと認めたものしか演奏していない。
1.エチュードOp.10&25(全24曲)
2.24の前奏曲Op.28
3.ポロネーズ集(第1番~第7番)
4.ピアノソナタ第2番、第3番
5.スケルツォ第1番~第4番、子守歌、舟歌
6.バラード第1番~第4番、前奏曲Op.45、幻想曲Op.49
完全無欠の1を筆頭に1-4までは10指が完全なコントロールされた強靭な打鍵と運動性と 正確な演奏技巧に満ちた究極のショパンだと言えるだろう。5・6では年齢とともに柔らかさが加わっている。
ピアノという範疇に自らを置き、ピアノだけで表現し得る全てを表した『ピアノの詩人』ショパン。その全てを本当の意味で表現しえたのはポリーニに以外いなかったのではないかとこのデモーニッシュなポロネーズを聴いて思う。