ポリーニの70年代のグラモフォンで発表したショパンのLPは、全てリアルタイムでLPで購入していた。ロックと並行し、クラシック音楽を聴き込んでいったのも、ポリーニの影響が非常に強い。その後、何人かのピアニストの演奏を聞いていたが、いつしかバイオリンの音楽を重点的に聴くようになった。しかし、このポロネーズ集でのポリーニの超絶技巧は凄まじいものだ。よくプログレッシブ・ロックで、キーボーディストの「超絶テク」「天才的な技術」とかいうが、ことグランド・ピアノでの演奏テクニックでは、エマーソンもウエイクマンも100歩及ばない。もちろん同列に比較するものではないのだが、ポリーニのショパン演奏を何回も聞いた耳には、ウエイクマンのピアノ演奏も子供の演奏に聞こえてしまうのだ。(実際に弾くには大変だと思うし、シンセサイザーでは彼らは巨匠だが)このアルバムで最大の聴きものは《幻想ポロネーズ》だろう。ピアノ演奏のあらゆるテクニックを駆使したポリーニのピアニズムがさえわたる。もちろんテクニックだけでない高度な音楽性を備えた演奏なので、何回聞いても飽きないのであろう。録音も75年とは思えないクリアな音質で迫ってくる。