OIBP化(DG独自のリマスタリング)され、従来盤でも充分に綺麗だった音がさらにくっきりとしました。
ミケランジェリのショパン、特にマズルカの演奏においての素晴らしさは既に多く語られていますが、
改めてこのCDを聴きこむと、磨き抜かれたすべての音のみならず、音と音の隙間…
つまり、“静”や“無音”部分の美しさに最も魅力を感じます。
No.68-1のマズルカでの特徴的な“後ノリ”のワルツのリズムが実にキリリと引き締まっていて、
何か忘れかけていたものを急に思い出させられたような不思議な感覚に見舞われます。
バラード第1番もすばらしい。無駄な装飾は一切ないのに、このエレガントさは何なのでしょう。
スケルツォ第2番は、この曲が持つ独特の厳しさが徹底的に研ぎ澄まされ、魅力的です。
甘美なメロディーを誇張したショパンの演奏が巷に満ち溢れている中、
このミケランジェリの“サロン風”ではないショパンはとても新鮮に響きます。
このすばらしい録音を残してくれたこれぞ真のピアノ職人“ミケランジェリ”に感謝しつつ、
何度もフルボリュームで繰り返し聴きたい名盤です。