古今東西のショパン弾きのピアニストについて、よくもこれだけリスト・アップしたものだ、と思いますが、内容はといえば、中途半端なプロフィール紹介だったり、聴いてないコンサートの伝聞を入れたりと、悪文の羅列。こういう書籍を読むにつけ、本当にインターネットのほうが、内容によってはよっぽど読み手にとって親切な媒体であると思う。
そんなピアニストの1人として安川加壽子のことまで取り上げている感性はすばらしいと思いますが、ショパンのピアノ曲が日本でどのように知られていったのか、という歴史的なことは、ごくごく断片的にしか語られていません。安川加壽子の演奏でショパンの魅力に気付いた人も確かにいたことでしょう。本当にフランスのエッセンスを日本に持ち帰られた方だと聞きます。でも、ラジオ/テレビ放送や映画の影響を抜きには日本におけるショパン楽曲の普及は語れないと思うのですが、ほとんど触れられていません。日本でのコンサートにかんする記述もありますが、では、日本におけるコンサート・プログラムでいつごろからショパン度が上がったのかなど、まるで書かれていません。ラクな仕事してます。
厳しいコメントを書かれたピアニストもいれば、ペライアのようにお話したことのある現役ピアニストでかつメジャー・レーベルと契約している人なんかについては広報部によるPR文のような非本質的な文章になっているのはいかがなものか。
批評でもなければショパン好きとしての理想を語るでもなく、いったい読者に何を伝えたいのか、さっぱり伝わって来ない内容に、当惑しました。