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舞台はL.A.、平凡なデパートの店員にリッチな中年男性が人生を変える出会いをくれると言った小説にはありそうな話だが、単なる娯楽小説でないのがマーチン流。登場人物全員のどこかしらが自分にも当てはまってしまい、それを「やられた」と思わせる適確な表現で言い当てられる。そのおかしさと、自分との類似点を見出していくうちに、どんどんはまり、先へ先へと進んで行く。一見私達の生活をはかけ離れているように思える話だが、実はそんなことはなく、都会でも田舎でも、アメリカ人だろうが日本人だろうが、人生をやりくりする人間模様に変わりはない。どこにで見つけられるそれぞれの生き方をマーチンは鋭い観察力と、率直な言葉で綴った。
とりわけ登場人物の過去を深く掘り下げることもなく、かといって人物描写に手抜きはないが、それが物語を読みやすくしており、現実世界をそのまま書いただけあって中身に頭を悩ませて読むこともない。受け入れやすい小説だ。「ちょっと本でも読んでみようか、でも、本は難しいからな」なんて思ってる人にこの本はお勧め。皆どこへ行っても、暗中模索しながら自分のあり方を学んでいるのだという事をマーチンはさりげなく教えてくれている。憧れと現実の間での生き方、新しい世界への可能性を織り交ぜながら。読んだ後になんだか「人生も捨てたもんじゃないな」なんて息をつける小説である。
私も今新しい生活を始めようとしている所だったから、勇気をもらいまいした。普通に生活して、がんばるのってステキだなぁって思えた本です。
あとがきで映画化の話にも触れていたけど、本の雰囲気を壊さないステキな物を作って欲しいな。安っぽい恋愛映画にはして欲しくない。
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