シューマン「子供の情景」ホロヴィッツの演奏が有名だが、音質が悪いのは皆の知る所。で、86年デジタル録音のカツァリスの演奏:美しい。
多くの困難な作業をしてきただけの事はあって、深い曲の解釈は、自然が奏でる数々の音風景に等しく、ときに小鳥のさえずりの様に、小川のせせらぎの様に、小風のささやきの様に、優しく 知らないうちに通り過ぎるが、時に 嵐や 小雨 濁流 曇り・・・ といった、立止ったり 沈思黙考したり、注視したりする面も しっかり 表現されている 素晴らしい 演奏だ。心身が豊かになるようだった。
欲を言えば、もう少し 重低音が響いて欲しかった。最低音部のパートが ハッキリはしているが 物足りなく思ってしまう。だからと言って、高音部がハッキリし過ぎていて 棘棘した演奏でもない。多分 そこを充足すると シューマンの意図を逸脱してしまうのかもしれないが。ルイサダ(ジャン=マルク)のような癖のある「子供の情景」も聞いてみたいなぁ。
そういう意味ではカツァリス演奏のショパン「ワルツ」とは全く違った雰囲気のCDだった。