1981年ミュンヘン・ヘルクレスザールにて録音。
この演奏はポリーニ2枚目のシューマンである。1973年4月にポリーニは最初のシューマン録音としてピアノ・ソナタ第1番嬰へ短調作品11を選んでいる。以来8年間ポリーニはシューマンを封印し、このレコーディングに臨んでいることになる。
ポリーニは過去にもこういう封印を行っている。1960年、弱冠18歳にして第6回ショパンコンクールを満場一致で完全制覇し その時、審査委員長を務めていたアルトゥール・ルービンシュタインが彼を評して、「技術的には 私たちの誰よりも上手い」と絶賛したにもかかわらず、すぐにデビューをせず約10年後にショパンのエチュード演奏という信じられないような演奏を具現化してみせたのだ。つまり、ポリーニは自らの最初のシューマン録音であるピアノ・ソナタ第1番嬰へ短調作品11が納得がいかなかったのだろう。
ここでのポリーニは確かに前回の録音より静かなダイナミズムに溢れている。そしてそれはショパンのエチュードやストラビンスキーのペトルーシュカのダイナミズムではない。
この時期ポリーニは集中してシューマンをレコーディングしている。それがまた面白いと思う。