◆「シュレディンガーのチョコパフェ」
旧友の科学者・溝呂木は「先進波」を使って因果律を破壊し、
「夢時空」を現出させることで世界を崩壊させようとしていた…。
等身大のオタクによる自己肯定と、他者との
コミュニケーションのあり方を問う物語。
原型は1985年に同人誌に発表した短篇だとか。
その頃から変わらず、未来を前向きで、
肯定的なビジョンで描いてきた著者に拍手。
◆「奥歯のスイッチを入れろ」
改造人間の苦悩と悲哀をパロディにせず、真摯に描いた作品。
「正義の味方」に必要なのは、人と人との信頼関係であるという
ちょっと恥ずかしい主張に十分な説得力を与えるSF設定が秀逸。
◆「メデューサの呪文」
言語SF。
『アイの物語』同様、
進んだ文明は現実よりもフィクションを重視する
というテーマが描かれます。
◆「闇からの衝動」
作家
C・L・ムーアを主人公とし、その代表作の
モチーフを組合せ、荒唐無稽な発想でまとめ上げた作品。
作家が持つ想像力の源泉が、著者の想像力によって見事に
形象化されており、じつに感動的なオマージュとなっています。