有名な旧約聖書の「ノアの方舟」の物語の起源は、紀元前3500〜2000年ごろメソポタミアに栄えた都市文明シュメールの神話にあると言われています。そこで、 人類を滅ぼす大洪水が起こるが、一握りの人間は神託で難を逃れ、新世界が到来するというのが現代にも伝わるその内容である。
チグリス・ユーフラテス河畔に暮らしたシュメール人にとって、大洪水は神々の怒りであり、また新たな創造をもたらすものだった。
本書は、粘土板に楔形(くさびがた)文字で刻まれた物語をわかりやすく紹介することで、神が司った農耕や牧畜、祭礼など当時の人々の暮らしを生き生きと描き出している。
都市の滅亡と共にシュメール人は姿を消してしまったが、その遺物は今も残る。また、星占いや建物の定礎、神社に絵馬を奉納する日本の伝統もシュメールに原型があると言う。
本書を読み進めていくにつれ壮大なスケールの伝承が古代への夢をかき立てていく夢とロマンに溢れた1冊です。