狂った戦乱の世や狂った情熱を持った人を画かせたら、この著者は滅法うまい。2巻ではシュトヘルの狂気や同じく強さのために己が鼻をそぎ落とすベクテル、力はないが暴虐に魅せられてしまったアルファルドなど存分に画かれていて、素晴らしい出来だった。ハンもイカレてれば、ある意味文字のために流浪の身なったユルールもまともではない。シュトヘルの強さは復讐の念を源泉とする狂気から来ていることをまざまざと見せ付けてくれた。
しかし、3巻ではユルールを助けようとシュトヘルが少し人間らしくなる。そのせいか、或いは単に力が及ばなかったのか、虎の男とも出会うが敗れてしまう。
死者のために人を殺すシュトヘルが、生きるもののために残虐にもなるハラバルに勝てなかったのは、或いは必然だったのかもしれない。
そしてシュトヘルは捕まり処刑を待つ身となってしまう!勿論、助けようとするユルール!「おれのきれいごとが・・君をころすのか。」ツォグ族に向けた矢は何を射抜くのか!?
皇国で圧倒的な世界を描いた著者の力量はここでも健在だ。コマの端々で戦争の影に、略奪や強姦が存在することをにおわせ、見事に戦時下を演出している。そして、台詞がまたイイ。帯にも名台詞ばかり四つも書いている!
戦が人を狂気へと誘うのか、はたまた人の狂気が戦を起こすのか。まともな現代人のスドーはこんな世界で大丈夫なのか!?乞うご期待!!4巻は来年か!?