神智学のシュタイナーが経済について語った2週間の講義録の記録。ユートピア的な経済を語るのではなく、当時の経済状況について、シュタイナー独自の視点で分析した内容になっている。
シュタイナーは、経済を理解するためには、価格や労働など、個別の事項に焦点を当てるのではなく、経済プロセス全体の流れを理解する必要がある、と繰り返し述べている。
そのプロセスとは、自然、労働、資本と言う流れであり、その流れの中に、決済、融資、贈与という行為がある。さらに、資本の利用のためには、精神(才知)が求められるとしている。
その上で、国民経済を、このプロセスの中に、いかに組み込んでいくかが、大きな課題であるといている。
経済の世界の中に、贈与や精神、という概念を組み入れているのがシュタイナーらしい。
シュタイナーは、繰り返し、理論的なものに捕われずに、現実の社会の状況、そこで起こっていることを、経済を考える際には、考慮に入れなければならない、と訴えている。
閉塞感が漂う現在の経済状況を考える際に、シュタイナーのこうした視点は、非常に参考になるのではないだろうか。