山田詠美の小説を映画化した作品として有名ですね。原作のファンの方も多いと思います。
原作に忠実とまではいきませんが、基本軸はほとんど変わっていません。
不器用な少年が洗練された女の子とほんの少しだけ恋に落ちる、そして一人にまた戻っていくというようなよくあるストーリーです。蒼さがあります。
何より主演の柳楽くんの冴えない男の子っぷりが素晴らしい。
高校出たばっかりの男の子ってまったく冴えないんですよね。その冴えなさが演技に出てます。
ヒロインの沢尻エリカの少女から大人に変わる美しさよりも、彼の18歳の少年の持つ蒼さの方が光ってました。
そもそも原作も、この映画も数少ない男の子のためのラブ・ストーリーです。
好きな女の子にどうやって気持ちを伝えようかと悩む姿。
好きな女の子が居ればずっと幸せでいられると思ってしまう高揚感。
自分よりもずっと魅力的な大人の男に彼女をとられる姿(医学部の男前にとられます笑)。
振られた後、一人になって、また一つ大人の階段を昇った少年。
恋愛を通して、少年の成長を描いた作品とも言えるかもしれません。
蒼い時を過ごした、元少年のひとならよく分かる感覚でしょう。でも、この感覚、女の人に分かるのだろうか?
最後、彼女に振られた後、すっきりした顔で歩いていく主人公の顔が印象的でした。
笑えて、かっこ悪くて、不器用で、そんな未完成な少年のラブ・ストーリーです。
個人的にザ・キュアーのボーイズ・ドント・クライが頭の中で流れました。
(僕は失恋の痛みを笑って嘘で隠すよ、涙が溢れないように、だって男の子は泣かないから)
男の子の初恋とはいつの時代も変わりませんね。
でも、それでよいのです。とポンと肩を押してくれる映画でした。