私も含めた多くの人が、この16年間変わらず何となくぼんやりとユニコーンの音楽と接してきた。しかし再結成を思い描いていた人は少なかったはず(ひょっとして僕だけ?)。期待するとかそういう次元ではなく、ありえない事だと思っていたので。
さてさて『シャンブル』。楽しみにしすぎて、とりあえず初聴はヘッドフォンで、曲目もろくに調べる事なく、もちろん歌詞カードも無視してただただ屋外にて聴き入ってたのですが。
数曲を過ぎたあたり、EBIの歌声が流れた瞬間、あの虚無のるつぼ(←褒めてるつもりです)『スプリングマン』のラスト曲【8月の】(名曲ですね〜)がフラッシュバックして不意に涙が出る。
あのアルバムよりさらに太く重くなったはずのアンサンブルがなぜか遥か爽やかに響く理由、それこそが付属のDVDに封じ込められている5人のオッサンがはしゃいで笑う姿ではなかろうかと感じます。
「民生が全部歌うだろうなーと思ってた(EBI)」
「そりゃもっと上手い人呼んでくりゃいいんですが自分達でやるってのがね(民生、ホーンセクションについて)」
とにかくユニコーンらしさというのは皆でド真面目な顔してバカバカしい事をやってそれでいてかつ格好良い、技量は(爪を隠して)二の次!ってのがいいんじゃないかと。DVD、昔からのファンは必見です。通常版を買ったオールドファンも、なんとかして友達に借りて観るとアルバムの楽しさ倍増、WAO!のPVは泣き笑いオンパレード。感無量です。
そして相変わらずテッシーが本当に良い仕事をしている。シングル【WAO!】の付属DVDで本人が語っていた、「『これってユニコーンっぽいよね』っていうデモを持っていくという行為は実は間違いで、リアルタイムで自分が良いと思っているものを持ち寄れば自ずとユニコーンらしさに繋がるんだなって」といったコメントの意味が見事に作品として現れていると思う。それはテッシー曲に限らず。これが民生のソロに聴こえるのは、単純にこの16年間、民生の歌声だけは絶えず世に流れていたからじゃないのかと思う。
永遠のツンデレロッカー(と私は勝手に名付けてます)、アベBも非常に良い!!
今までのユニコーン、好きな曲はもちろん幾つもあるけど、アルバム単位では個人的に今まででぶっちぎりのベスト。16年という時間が必然であったのかもと思える程に良いアルバムだと思います。そもそも『ヒゲ』や『獣』と同じようなユニコーンを期待するのはちょっと・・、どうかな・・・?
そして、ここまでうだうだ書き連ねてからこんな結論も申し訳ないのですが、これからユニコーンに触れていこうと思っている方には入門盤としても最適だと思います。金太郎飴みたいな日本のロックにゆるい風穴が空く程度には強烈なアルバム。金字塔だぜーぃ