『極力身辺を整理され、当学より派遣の使者をお待ちください』 天涯孤独の少女、すみれに届いたのは、不穏な言葉で結ばれた“入学許可証”だった。
有無を言わさず連れ去られ、放り込まれたそこは、多種多才な生徒達が集う、奇妙な学舎。
傲岸不遜な“教授”、姿の見えない上級生達、不可思議に囁かれる学園理事長“シャルロット・ホームズ”の名前。
そして早くも第一の事件が起こる。弱肉強食の学園ミステリー、ここに開幕!!
ミステリーもの定番といえば、序盤で人が殺され、中盤に推理、終盤に犯人を追い詰めるといったところでしょうか。
だがこの作品は、序盤・中盤丸々を主人公の置かれた状況説明、十八人のクラスメートの自己紹介に多大な労力を割いている。
殺人が起きるのも終盤の数ページ、謎解き以前に、そもそも誰が殺されたかすら明らかになっていません。
数冊の巻としてトータルでみると一巻を丸々使っての説明もありだと私も思うのですが、それは続巻を購入するという前提での話であって、これを様子見で買った人間には判断がつきかねると感じる。
主人公のすみれの置かれた理不尽な状況、バトルロワイヤルさながらの閉鎖環境による殺し合いの下地。
ジャックの復讐の対象でもあり、物語の核心部分でもある見え隠れするシャルロット・ホームズの影。
興味をそそられる要素は多分にあるが、一冊のノベルとしての評価では期待値を込めても星三つが限界だ。
手放しでは人にオススメできない作品だが、我慢強く、尚且つ続巻もまとめて購入できる方なら読んでみて損はないと感じる。